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mc1397

2023年12月25日

こじつけ先生の世相ナンチャッテ高座

こじつけ先生の世相ナンチャッテ高座その7
い・ろ・は 2023世相カルタ

今回はちいとばかり2023年を振り返る「い・ろ・は世相カルタ」をとくと紹介いたしますぞ。御用とお急ぎのない方も急ぎの御用のお方もしばし手を休めて独断と偏見の軽ちゃあ流世相カルタを聞いて下されよ!
 いろいろありました2023年 世相カルタでまとめると
 ロシアのウクライナ侵攻 反転攻勢あるものの 長期化の様相
 パレスチナ イスラエルとハマスの戦闘 犠牲はいつも民間人
 2024問題 いよいよ深刻化 まずは物流改革から
 ホストクラブにはまった女性 「立ちんぼ」(売春)が増加
 ペッパーミルパフォーマンス ヒット商品
 トラ(阪神) 38年ぶりに日本一
 地球沸騰化 気候変動で世界的に大災害発生 COP28「化石燃料からの脱却」で合意
 竜(ドラゴンズ) 来季は昇竜を期待
 ぬくぬくと私腹を肥やす政治家 政治資金パーティ収入不記載 議員にキックバック(還流)
  裏金疑惑の派閥に次の言葉を与えよう
  「なんぞ悪い考えを起こす連中はいつも面倒くせえ手を思い付き、その考えに酔って糞溜(くそだ)めに嵌(は)まるんでさあ。小悪党は、必ずしち面倒臭い道を思い付きやがる・・・馬鹿げた話だ」(ある時代小説の一節)
 ルポの東芝 上場廃止 技術を活かせ 再出発
 おかしいぞ 東電原発訴訟の高裁判決 核汚染の責任は誰か
 忘れられない 伊集院静氏逝去 かっこよかったね 洗練された文章が好き
 環境破壊が続く世界 地球温暖化対策は待ったなし
 横綱休場でも 若手が盛り上げる大相撲 
 谷村新司さん逝去 昴へ旅立つ
 レンジャーズ(米大リーグ) ワールドチャンピオン いつも話題の中心は大谷翔平選手
 「増税メガネ」の総理 減税連呼もむなしく聞こえる
 強い意志 広い心 高い理想がない総理
 熱帯雨林が消えていく ワリバシ文化の見直しを
 内閣改造後2か月で政務三役辞任 岸田政権末期症状
 ライドシェア タクシー不足解消につながるか
 難しい問題は生成AIが解決 科学技術の進歩は人類に救いを与えるか
 打つ手なし 裏金疑惑の岸田政権 支持率20%台 いつまで持つか
 いじめ文化の宝塚歌劇団 過重労働・パワハラで団員急死
 のん気 根気 元気の三気人生を
お 大谷翔平選手 MLBア・リーグのMVP受賞 史上初の2度目満票で選出 ドジャースへ移籍(10年総額 1015億円)
 クマ 住宅街に出没 山に餌なし 人との共存は難しい クマった
 闇バイト 特殊詐欺に駆り出され逮捕
 マイナンバー不信感つのる 大丈夫?河野太郎大臣殿
 経済対策不評 来年6月から減税だって その後は増税かね
 不登校 小中29万9千人 過去最多
 声だし応援解禁 4年ぶり ストレス発散
 エッフル姉さん 公務より観光優先
 電動キックボード解禁 違反、事故多発
 「安心してください。はいてますよ」イギリスで大受け
 侍ジャパン WBC優勝
 議員の適格性欠く 不倫・公選法違反・滞納の政務三役辞任 裏金「頂き」議員もいるってね
 許せない 高齢者を狙うニセ電話詐欺
 めでたきことは少なし 家族葬のこの頃
 水不足の琵琶湖 これも地球温暖化の影響か
 ジャニーズの性加害問題発覚
 エネルギー高騰 家計を直撃 小遣い減額
 ビッグモーター 保険金不正請求問題発覚
 猛暑 40度超えは当たり前 地球沸騰化
 「税」今年の漢字 増税 減税 行方をしっかり見ましょう
 ストレスが過労死の第一歩
 運と度胸と+αで来年も頑張りましょう

番外編
 定年までのカウントダウン 計画的な生活設計を
 馬券と宝くじで夢を買う
 来年こそはと希望を持って
 偉丈夫と胃が丈夫は大違い
 年休を取って海外旅行の夢を見る
 運だけじゃ出世できないサラリーマン だけど夢や希望は持て
  

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2023年12月22日

もの申すオジサン物語

モノ申すオジサン物語パート6
市役所改造案
 衝撃的内容 これはクーデターか!?

 モノ申すオジサンことモノジーは今日もチャリオ君に乗って、こころ旅の火野正平になったかのように役所へ。自称オンブズマン又はチェックマンであるが、人は「昔語り人」とか「物好き」とか言う。まあ、どちらでもいいけどね。
 今日はなぜか興奮しているようで、庁舎内に入るなり、受付へ。「姉ちゃん、役所内でコンビニじゃなくてさ。ミニ何とかを出している職員を呼んでちょーせ」。「私はお姉ちゃんではありません」と名札を示して、「本日のご用はなんでしょうか」と受付嬢。一発かまされたモノジーは「すんまへん。ちょっと、呼んでいただけませんか」と低姿勢。そこへ偶然かどうか不明だが、役所内でミニコミ紙を出しているという職員がやってきた。
モノジー「君、キミ、ちょうどいいところに来てくれたな。キミに見せたいものがあるんだ」
ミニコミ職員「何でしょうか。記事のネタになるのならお伺いしますけど」
モノジー「あのな、名前は分からないけど、ワシあてに大変驚くべきものが送られてきたんじゃ。握りつぶすにはあまりにも惜しいし、かといってこの衝撃的内容を公表して混乱させても・・・。そこでキミに見せて、その当否の判断を委ねようと思ったのよ」
 以下、その内容を紹介する。
「私がモノジーさんにこの『○○市役所改造案』なるものを送るのはある日、市役所内を歩いていたとき、偶然この改造案が通路に落ちていたのです。私は単なる市民ですが、市の封筒に入っていたマル秘のゴム印を押した文書を見て、これは大変だと思い、最近評判のモノジーさんに送って見てもらった方がいいだろうと失礼ながらポストに入れさせてもらいました」との送り状。

「○○市役所改造案」とは
 1ページ目の呼び掛け文というか檄文というか、それらしきものが過激に書かれている。さわりを紹介すると、
「・・・我々はこの閉塞的状況を打開するためにあえて立ち上がった。このままでは市長始め幹部連中のパワハラで、真面目な職員は病気になってしまう。我々は市民の幸せを願って、日々公務の仕事をしているが、幹部(患部とも言う)が後ろからタマを撃つようではまるでロシアの戦闘のようではないか。我々を犬死させるのか。・・・諸君、これでいいのか」何が言いたいのか、よく分からないが、どうもクーデターのような気がする。

給料は年俸制へ
 第1条の目的には「市の発展を期し、市民の幸福と公共の福祉の増進のために市の機構を改造することを目的とする」とあり、第2条の機構では「国のタテ割り行政に追随した今の機構を改め、部課長制を廃止し担当制とする」とある。そうするとサラリーマンの憧れである花の課長はなくなるのか。WBCでは大谷選手が「憧れるのはやめましょう」と言ってたけど。何十年も前にトヨタが部課制を廃止してフラット制にしたことがあったが、その後、どうなったのだろうか。第3条には「給料の格付けは本人申告による年俸制とする」。これはエライこっちゃ。大リーグの大谷選手のように7億ドルの職員が出たらどうするのだろう。それは夢の夢として、高額な給料を申告するアホはいないと思うし、それを認める首長はいないだろうが、首長と同じ額を要求する職員はいるかもしれない。だって、勤務評価の自己申告で満点を記載した職員だっていたからね。もっとも自己評価とは別の上司の評価では中位だったとか。自分の力を給料に置き換えるのは難しい。同期のアイツより少し多くというのが関の山か。

清廉潔白 人倫の道
 とまれ、話をもとに戻す。以下、条文にならぬ条文が続く。例えば、第30条の男女交際では「職員は清廉潔白をもって律し、くれぐれも世間の風潮に惑わされることなく、奉仕者として勉励すべし。男女の間にあっては人倫の道に外れることなきよう務めるべし」といきなり古文調で定めてある。小生の脳裏に数組のカップルが浮かんだことは否定できない事実だった。どこどこの駅で待ち合わせていたぞという公然の秘密カップルのことだ。先へ急ごう。
 服装を定めた条文もある。第69条がそうだ。「男子は黒若しくは紺以外のズボンとし、シャツは白以外とする。女子は膝上10センチのスカートとし、上着はセーラーとする」。こいつ何を考えているんだ。男子はクジャクみたいにド派手な格好になってまうがね。女子のスカートは全面的に賛成で異議なしだが、上着のセーラーはきっと作者が案に詰まって生徒手帳を模写したのだろうか。とまれ、この個所はセクハラの疑いが出そうだ。

一日一回善行
 この中でキラッと光るものもある。第85条の特別休暇だ。「特別休暇として、勤続年数に応じた休暇を付与する」。続いて、第86条の特別手当も見逃せない。「特別休暇を取得する者には、特別手当を支給する。なお、その支給額は別に定める」とある。その額が明らかでないのは残念だが、その姿勢は評価したい。
 変わったところでは、ボランティアを定めている条文がある。「第101条 職員は、一日一回善行をすること。また、月一回ボランティア活動に参加すること」とある。大体ボランティアは自ら行うもので他から強制されてすることではない。余計なお節介だが、こうでもしないと超高齢社会には対応できないかもと思ってしまう。福祉型社会は結構疲れるものだ。
 目を通すのに少々疲れを感じた小生は、最後の条へと移った。最後の200条は罰則だった。「以上の条文に従わぬ者は国際平和維持活動(PKO)に参加させることとする」。こんなバカな。ロシアによるウクライナ侵攻やガザ地区でイスラエルとハマスの戦闘に参加せよってことかよ。これは明らかに、実に明白に憲法違反だ。こんな改造案は認めるわけにはいかない。ミニコミ紙の発行者として、これを世間に公表し、こんなバカげた改造案は葬り去るべきと思うが、モノジーさんはどう思うか。ひょっとしてモノジーさんが作ったんじゃないの」と逆質問した。
モノジー曰く「さあーて誰が作成したか分からんが、読み物としては面白いとちゃうの。ミニコミ紙に載せたら。ではよいお年を」とチャリオ君に乗っていずこへ去ったそうな。
  

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2023年12月19日

こじつけ先生の世相ナンチャッテ高座

こじつけ先生の世相ナンチャッテ高座その6
気候変動を考えるパート2
気候民主主義とは何か

若者の行動
 気候民主主義って言葉はご存じであろうか。今、世界では若者を中心に、気候変動に対する危機感から気候を民主的に考え行動しようという運動が始まっている。
 2021年11月、イギリスで開催された国連気候変動枠組条約締約国会議(COP26)の会場近くで、気候変動に関わる活動家であるスウェーデンのグレタ・トゥーンベリさんをはじめとした世界中の若者が地球温暖化対策を求めて行動を起こした。日本からも若者が気候変動を今止めないと次世代に希望はないとプラカードを手に参加した。また、日本においてもイギリスのグラスゴーで行われた大規模デモに呼応して、東京で若者グループ(フライデーズ・フォー・フュ―チャー、FFF)のメンバーが二酸化炭素を大量に排出する石炭火力の廃止を訴えた。

気候正義
なぜ若者は抗議の声を上げ始めたのだろうか。気候変動が悪化の一途をたどっている現在の危機的状況を認識し、デモ行進や集会を行う若者は何を求めているのか。彼らのスローガンに一つに気候正義がある。耳慣れない言葉だが、その意味するものは、先進国が温室効果ガスを大量に排出する一方で、途上国は深刻な影響を受けていること、富裕層や中流階級が温室効果ガスを大量に排出しながら便利で快適な生活を送っているのに対し、低所得層や少数民族は深刻な影響を受けている状況は不正義であって正さなければならないという意味が込められている。
しかしながら、日本国内の若者からの抗議や行動といった動きはあまり見られない。参院選や衆院選においても気候変動への言及や争点化が少ないのは気候変動への危機感が薄いからだろうか。そのような中にあって、FFFのメンバーは環境への意識の高い若者が投票に行くことで政治の目が向くと考え、若者世代に投票を呼びかけている。

気候市民会議で気候変動を語ろう
 気候変動+市民参加=気候市民会議が各地で開催されている。地球温暖化が原因と見られる気候の変動は、日本中で、世界中で起こっている。このままでは気候の危機へと変貌し、取り返しのつかない事態へと進む。市民に何ができるだろうか。共に考え、学び、話合い、そして行動するために、気候市民会議が開催されている。
 始まりはヨーロッパからで、英国で2020年1月から5月にかけて気候市民会議が議会下院の主催によって開催されたのが始まり。ユニークなのは参加者の選定で、国全体の縮図となるよう16歳から79歳までの108人を無作為抽出した。会議は4回開催され、気候変動などの基礎的な学習、テーマごとのグループ討議、個々人の投票という3つのステップを繰り返すもので、最後にまとめた提言を議会や政府に提出するもの。

日本各地でも気候市民会議が開催
 日本でも各地で開催されているが、ここでは札幌市の例を紹介する。2020年11月、12月に気候市民会議札幌2020実行委員会が開催している。参加者は札幌市全体の縮図となるよう、16歳以上の市民を対象に性別や年代などのバランスを考慮し20人選出(無作為抽出、抽選)した。会議は3つの論点を討議するもので、情報提供とレクチャー、グループ討議、投票という順で、これを繰り返し行うもの。結果は、報告書を作成し、札幌市に提出して気候変動対策に活用するもの。
 札幌市を皮切りに、武蔵野市、所沢市、多摩市、川崎市、厚木市、日野市などで開催されている。

気候若者会議が政策を提言
 ヨーロッパでの気候市民会議に刺激され、日本版気候若者会議がある。この会議の目的は、気候変動対策を協議する若者同士の意見交換の場、環境政策の早期実現、開かれた議論の場、世論喚起で、間接民主制を補完する対話による直接民主制として機能することにある。1回目を紹介すると、2021年5月から8月にかけて、全国の大学などから108人がオンラインで参加し、10回にわたり、気候変動対策や民主主義、教育の在り方などを議論し、70項目の政策提言をまとめ、政府や各政党に提出された。
 まだ、歴史は浅いものだが、こうした若者の動きが各地で芽生えていくものと期待したい。

 日々刻々と変化する気候変動。地球温暖化をどのように防いでいくのか。パリ協定の合意(産業革命前からの気温上昇を1.5度未満に抑えること)の実現をどのような道筋で進めていくのか。こじつけ先生は心配でたまらないが、こればかりは一人一人の心掛けで、身近なところからできる範囲でやるしかない。未来の世代からよくやってるねと評価されるようにしようとこころの中で誓ったとさ。ではまた








  

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2023年12月17日

こじつけ先生の世相ナンチャッテ高座

こじつけ先生の世相ナンチャッテ高座その5
気候変動を考えるパート1
地球規模での気候変動が続出
 地球温暖化対策は待ったなし

 11月、気候変動に関する国際的な二つの記事が新聞(中日)に掲載された。
 一つは、国連の気候変動枠組み条約事務局が14日に発表したもので、その要旨は次のとおり。
・各国が掲げる最新の温室効果ガスの排出削減目標が達成できた場合、世界全体の排出量が2020年代に減少に転じる可能性が高いこと。
・一方で今世紀末の気温上昇を1.5度に抑えるパリ協定の目標に必要な削減量には遠く及ばないこと。
・今月末から始まる国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)は世界の対策の進捗評価が主要議題となること。

 もう一つは、世界気象機関(WMO)が15日に発表したもので、その要旨は次のとおり。
・地球温暖化を招く温室効果ガスの二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素の大気中の世界平均濃度が、2022年は観測史上最高を記録したこと。
・温室効果ガス濃度の高止まりが続けば、今世紀末の気温上昇を産業革命前と比べ1.5度や2度に抑えるパリ協定の目標値を、大幅に上回ることになること。
・緊急の課題として、(石油などの)化石燃料の消費を削減していかなくてはならないこと。
・二酸化炭素濃度は産業革命前の水準から比較し、初めて50%以上増となったこと。
・現在よりも気温が2~3度高く海水面が10~20m高かった、300万~500万年前の状況に匹敵すること。

 このところ気候変動や地球温暖化に関し、コロナ禍以降、あまり関心がないように見受けられたけど、地球温暖化は間違いなく進んでいる。夏の暑さ、大雨、豪雨、干ばつ、四季の変化など地球温暖化が原因と見られる気候の変動は、私たちの身の回りで、日本中で、世界中で起こっている。このままでは気候変動は気候の危機へと変貌し、取り返しのつかない事態へと急速に進行する。そこで本高座でも気候の変動について考えたい。

パリ協定の数値目標
 2015年に合意されたパリ協定では、世界全体の目標として、産業革命前からの気温上昇を1.5度未満に抑えることが決定され、2018年に公表された国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の特別報告書では、この目標を達成するためには、2050年までに二酸化炭素の実質排出量をゼロにすることが必要とされた。

日本の動向
 地球温暖化対策や脱炭素化の日本の動きは、2020年10月、当時の菅首相が2050年までに温室効果ガスの排出をゼロにするカーボンニュートラル(脱炭素社会の実現)を目指すと所信表明で述べたところから、国、自治体、事業者、市民生活などにおいて、脱炭素社会の実現に向けて取組が推進された。
 2021年4月、当時の菅首相は、2030年度の温室効果ガスの削減目標について、2013年度比で46%削減することを目指す。さらに50%の高みに向けて挑戦を続けていくとの方針を表明した。2019年度時点で14%減だったので、10年で32%分を積み増すことになり、削減ペースを急加速させることになった。
 岸田首相は2021年10月、新たなエネルギー計画を閣議決定した。その内容は、2030年度の電源構成の目標を明確にしたもので、再生可能エネルギーは2019年実績の18%を36~38%へ、原子力は6%の実績を20~22%へ、火力は76%から41%へと変更するもであったが、原発の再稼働や石炭火力への依存が問題視された。

COP28 パリ協定「1.5度目標」に向け「化石燃料脱却」で合意
 アラブ首長国連邦(UAE)ドバイで開催されていた国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)が12月13日、パリ協定に沿って気温上昇を1.5度に抑えるため「化石燃料からの脱却」などを進めるとした成果文書を採択し閉幕した。
合意のポイント
・2050年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにするため、エネルギーシステムの化石燃料からの脱却を2020年代に加速する。
・現状ではパリ協定の「1.5度目標」は実現できず、2030年に温室効果ガス排出を2019年比43%減、2035年に60%減にすることが必要
・排出削減対策が取られていない石炭火力発電所の段階的削減に向けた努力を加速する。
・世界の再生可能エネルギー容量を2030年までに3倍にする。
・各国の地球温暖化対策の進捗評価文章を踏まえ、新たに2025年度までに排出削減目標を作成する。

課題も多い 
・新たな排出削減目標は1.5度目標達成可能な水準まで引き上げられるのか。
・先進国と途上国の相互不信が解消できるか。
・排出削減対策が取られていない石炭火力発電所の段階的削減措置について、いつまでにどの程度行うのかの道筋が見えていない。

評価できる点
・世界の再生可能エネルギーの容量を2030年までに3倍にするという有志国誓約(116カ国。日本含む)がまとまったこと。
・従来の石炭のみを化石燃料としていたことから、その対象を石油や天然ガスを含む化石燃料全体としたこと。
・開催国である石油産出国のUAEにおいて、石油や天然ガスを化石燃料としたことは産油国と非産油国との溝を埋めることになる。

迫力を欠く日本の脱炭素
岸田首相の演説のポイント
・排出削減対策の講じられていない新規の国内石炭火力発電所の建設の終了
・再生可能エネルギーの主力電源化や原発活用の推進。世界で2030年に再生可能エネルギー容量を3倍とする目標に賛同
・世界は1.5度目標の道筋に乗っていない。2030年までの行動が決定的に重要

問題点 影が薄い日本の存在
・石炭火力発電所の新規建設終了の年限を示していない。既存の石炭火力発電所の廃止に言及していない。
・2030年までの行動が決定的に重要と言いつつも、その具体策が提案できていない。
・毎回、日本政府は手土産として拠出金を持参する。今回も気候変動被害を救済する基金に1千万ドル(約14億7千万円)を拠出するようだが、相変わらず金さえ出せばいいとの姿勢が見え見えで政策力が乏しい。
・岸田首相演説に今回も対策が後ろ向きな国に贈られる「化石賞」が贈られた。贈呈する国際的な環境NGO(非政府組織)「気候行動ネットワーク(CAN)」は、岸田首相の姿勢を「環境に優しいと見せかけるグリーンウォッシングだ」と批判している。

 こじつけ先生は、地球温暖化がこのまま進むと孫や将来世代の存亡に関わると心配している。日頃から、ごみの分別や環境美化に心がけているが、何とももどかしい思いがある。若者の奮起を促したいと考えているが、それは次の高座でお待ち願おう。ではまた
  

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2023年12月14日

雑談の広場

雑談の広場その19
サンタクロースっているんでしょうか?

 12月に入ると、「サンタクロースっているの?」子どもからこんな質問を受けたことが誰でもあるでしょう。あなたが子どもの頃、父や母に同じ質問したのかも知れません。そのとき、親はどう答えたのか・・・お菓子が入ったブーツをもらったのは覚えているけれど、答はどうだったのか。あなたは子どもの素朴な質問にどう答えるのでしょうか。
 今から126年前、この質問に答えた新聞社がありました。1897年9月21日、ニューヨーク・サン新聞の社説は、ニューヨークに住む8歳のバージニア=オハンロンという少女の質問に対してこう答えました。
 「サンタクロースなんていないんだという、あなたのお友だちは、まちがっています。きっとその子の心には、いまはやりのなんでもうたぐってかかる、うたぐりやこんじょうというものが、しみこんでいるのでしょう。うたぐりやは、目にみえるものしか信じません。うたぐりやは、心のせまい人たちです。心がせまいために、よくわからないことが、たくさんあるのです。それなのに、じぶんのわからないことは、みんなうそだときめているのです。・・・そうです。バージニア。サンタクロースがいるというのは、けっしてうそではありません。この世のなかに、愛や、人へのおもいやりや、まごころがあるのとおなじように、サンタクロースもたしかにいるのです。・・・この世のなかにあるみえないものが、なにからなにまで、人があたまのなかでつくりだし、そうぞうしたものだなどということは、けっしてないのです。・・・ただ、信頼と想像力と詩と愛とロマンスだけが、そのカーテンをいっときひきのけて、まくのむこうの、たとえようもなくうつくしく、かがやかしいものを、みせてくれるのです・・・」
 子どもの頃見えていたものが、大人になると見えなくなるものがあります。また子どもの頃信じていたことが、信じられなくなることもあります。信頼とか想像力とか愛、ロマンスといった概念がどんどんなくなり、物質的欲求にこだわる大人にはなりたくないと思う12月です。
*参考 「サンタクロースっているんでしょうか?」中村妙子訳 偕成社刊)
  

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2023年12月10日

こじつけ先生の世相ナンチャッテ高座

こじつけ先生の世相ナンチャッテ高座その4
「いただき女子」VS「いただき議員」

「いただき女子」リリィ 1億5千万円
 今年の世相で話題をさらったのが「いただき女子」リリィの「おぢ」からの「いただき」で、現在公判中だが、中高年の「おぢ」から約1億5千万円を詐取(貢がせた)したとか。リリィはその詐取金のほとんどをホストに貢いでいる。本人曰く「ホストをナンバー1にすることに自分の価値がある」とか。だまされた「おぢ」たちは純粋にリリィを苦境から救おうと、コツコツ貯めたお金を貢いだのだろう。世間的に見れば、バカな奴らだと思うのが普通だ。本人たちの騙されたと分かっていても、リリィを救いたいという気持ちに対し、切ないなあと感じる。年明けには判決が下されるようだが、実刑は免れないのだろう。
 このリリィが出した「おぢ」をだますテクニックのマニュアルを購入して実践したある女子の裁判も進んでいて、マニュアルどおりに実践したところ、「おぢ」たちはコロッと騙されてお金を貢いできたとか。
 かつてこの種の犯罪は、男が主導した「美人局」であったが、いまでは逆転し、おなご(女子)が主導するようになったのか。また、その動機はホスト通いをするためと聞くと、その心のうちは何だろうか。単に男が欲しいだけではないだろう。寂しい心があるのだろうか。こうして、ホストの歓心を買うために、詐欺を働くおなごがいる一方で、「たちんぼ」(売春)で稼ぐおなごもいるとのこと。そしておなごを買う奴らもいる。所詮は男と女の宿命のゲームだろうか。まっとうに働けよと言いたいが、所詮は爺のつぶやきに過ぎない。

「いただき議員」は政治から身を引け
 今、世間を騒がせているのが自民党安倍派(清和政策研究会)の政治資金パーティー裏金問題だ。松野官房長官を始めとした安倍派幹部6人がパーティー券販売ノルマを超えた売り上げからキックバック(還流)を受けたとの疑惑である。
 先月、政治ジャーナリストから「検察は大物議員を狙っている」との観測が流されていた。東京地検特捜部はエース級の検事の投入や全国からの検事の動員で捜査に当たっているとのこと。臨時国会閉会後の13日以降、疑惑議員の任意聴取、家宅捜査に入ると思われる。もうすでに秘書らの任意聴取も進み、容疑を固めているのではなかろうか。
 岸田首相はうつろな目で記者会見をしているが、松野官房長官らの安倍派からの大臣や党役員の更迭、内閣改造の検討などドタバタが始まったようだ。岸田政権の崩壊は止められないだろう。水面下では、次期首相の選定が進められているらしい。かつて、ロッキード疑惑で田中政権が倒れた後は、当時小派閥であった三木武夫氏が首相となった。その後、三木氏から海部俊樹氏へと小派閥ながら、自民党の危機の折には小派閥から首相が選出された経緯から見ると、岸田首相の後は冷遇されている石破氏あたりにお鉢が回るかもしれない。しかし、人事だけで済むような問題ではない。本質的な問題は、政治とカネの問題に正面に取り組めるかどうかなのだ。小手先だけで済ませようとすると、国民から見放されるだろう。
「いただき議員」は政治から身を引いていただきたい。

だらしない野党に意見する 野党議員は全員辞任せよ
 国会の質疑を観ていても、野党議員の追及は甘いというか、何とももどかしい。週刊誌ネタなど報道に頼っているから、質疑の追及も緩いものになってしまう。かつて、「総理、そーり」を連呼した議員のようになぜ食い下がらないのか。政治とカネの問題は自民党だけのことではなく、野党にも及ぶので、腰が引けているのかもしれない。衆議院議員の任期は後半に入っている。いつ解散があってもおかしくないが、岸田政権は解散できる状況にないので、今こそ国民に信を問うべきではないか。自民党が解散に応じなくても、野党の議員全員が辞任すれば国会は持たないだろう。解散して国民に信を問うことになるだろう。そこまでの断を下せるのか。野党にも問いかけたい。

真面目な議員もいる
 こじつけ先生は、政治とは距離をおいていたが、知り合いから誘われて政治資金パーティーに何度か出たことがある。自民党系のパーティーは業界や地方議員など2千人位をホテルの大会場に集めて行われるが、チケットの売り上げはその倍以上と言われている。しかも、利益率は9割以上とか。パーティーの飲食は大したものはなく、テーブルごとに大皿で寿司、から揚げ、つまみ、ケーキなどが出されているが、乾杯前からつまみ食いがされ、乾杯とともに一斉に箸を伸ばすので、すぐになくなってしまう軽食パーティーであるが、主催者から見れば「打ち出の小槌」なのだ。
 こじつけ先生が感心したパーティーがある。自民党系議員のこじんまりとしたパーティーで、主催者は、大臣経験はあるものの、辛口な人なので、党内では優遇されていないが、なぜか国民には受けるので、メディアにはよく出ている人だ。議員は丸テーブルを回りながら、出席者に挨拶をしており、こじつけ先生のテーブルに来た時、なぜかバタッと倒れてしまった。あれぇ、どうしたの?まさか脳内出血かと会場は騒然となったが、周りに支えられて議員は立ち上がりながら、「今日は朝から面会やら会議やらで昼食を取る間もなく、ここに来たので、腹が減って目がグルグル回ってしまって、醜態を見せました」と述べた。真面目な議員がいるものだとこじつけ先生は感心したとさ。ではまた
  

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2023年12月09日

こじつけ先生の世相ナンチャッテ高座

こじつけ先生の世相ナンチャッテ高座その3
政治資金パーティー券問題
裏金疑惑 松野官房長官に1000万円還流
更迭へ 岸田政権危うし 一気に政局化

 報道によると、「裏金疑惑をめぐっては、松野氏自身にノルマ超過分に応じて5年間で1千万円超の現金のキックバックを受け、関連団体の政治資金収支報告書に記載していなかった疑いが浮上」し、「自民党安倍派(清和政策研究会)が政治資金パーティー券のノルマを超えた販売利益を議員側にキックバック(還流)した裏金疑惑で、岸田文雄首相は還流を受けていた疑いが浮上した松野博一官房長官を交代させる検討に入った」とのこと。松野長官は連日の記者会見や国会答弁において、疑惑の発覚後は「政府の立場として個々の政治団体、個人の政治活動に関する事柄でのコメントは差し控えたい」「派閥の対応に関しては今の私の立場から申し上げることは控える」など、事実上の回答拒否を繰り返し、与野党から説明責任を果たしていないとの批判が上がっていた。

官房長官とは
 内閣を構成する閣僚の一人で、政府全体の総合調整を担う「内閣の要」だ。首相官邸に常駐し、首相を間近で支えている。また、内閣官房報償費という「機密費」も管理する。いわば官僚に対しにらみを利かし、金銭面で与党議員の面倒も見ているとか。内閣のナンバー2的存在だ。

「カミソリ」後藤田正晴を知ってる?
 官房長官はまさに国家運営を裏から牛耳るキーマン。
 古い話で恐縮だが、35年位前に「カミソリ」と言われた官房長官がいた。後藤田正晴氏だ。警察官僚のトップである警察庁長官を経て、田中政権下の官房副長官、中曽根政権下では内閣官房長官として政財界のみならず、労働界にもにらみを利かし、「行革」を断行した人物である。後藤田が書いた「政治とは何か」(講談社)から、稀代の官房長官と言われる男の生きざまを紹介したい。
 後藤田は日本を動かす実力者の一人で、味方にすればこれほど頼もしく、敵にすればこれほど怖い存在はない。だから当時の中曽根首相は、後藤田が田中派に所属していても、女房役の官房長官就任を要請し、自らの懐刀とした。
 一言で表現すれば、総理の器でありながら総理になれなかった男だ。自身の本に「政治家ならば誰でも一度は総理総裁になってみたいと思うものである。私もあと十年早く国会に出ていたなら、必死になって総理総裁をめざしたかも知れぬ。だが、私が最初に衆議院に当選したのは61歳の時だ。・・・総理をつくる側に立つことによって、国家、国民のために尽くそうと考えた」と記している。事実、大平政権の誕生、中曽根総裁の再選、「行政改革」「政治改革」の断行など辣腕を振るった。
 今思えば、当時は「行政改革」や「政治改革」が国家、国民のためになったかどうかは後世が評価すべきことであったが、現代では当たり前のことであり、これによって国の体制が一新されたと歴史的に証明できるであろう。

優れた情報収集
 さらに後藤田について触れたい。
 政治屋がゴロゴロしている自民党では当選回数こそが実力のランクであるが、裏の世界(防衛、公安)に通じている後藤田にはその理屈は当てはまらない。
 彼の真価が発揮されたのが昭和58年9月1日に起きた大韓航空機撃墜事件だった。当時、官房長官だった後藤田にはいち早く防衛、公安筋から撃墜の情報が入り、その後の情報管理、マスコミ・世論誘導を行ったと言われている。
 かねてから内閣官房の組織強化を考えていた後藤田は、この事件を契機にその強化を図ることに成功した。
 後藤田の政治哲学の一つは「いかに情報を集め、そして的確な判断を下すか」である。

国民のために行政はいかにあるべきか
 後藤田は自著の中で国民のために行政はどうあるべきかを次のように記している。
「自分の役所の窓からしか世の中を見ないという悪弊は是非改めてもらいたい。国民のために行政はいかにあるべきか、世界のなかで日本はどう生きるべきか、そして国内の安定のため何をなすべきか・・・。役人としての原点を十分に考え、行政府としてしっかりとその役割を果たしていかなければ、社会の役人に対する批判は一向に沈静すまい。役人に求められている責任を自覚し、時代に適応できる体制を是非作ってもらいたいと思う」

後藤田五訓
 後藤田の部下であった初代内閣安全保障室長を務めた佐々淳行氏は自著の中で、後藤田が与えた訓示(後藤田五訓)を明らかにしている。
1. 出身がどの省庁であれ、省益を忘れ、国益を想え
2. 悪い、本当の事実を報告せよ
3. 勇気を以って意見具申せよ
4. 自分の仕事でないと言うなかれ
5. 決定が下ったら従い、命令は実行せよ

 こじつけ先生は、自民党の政治資金パーティーの裏金問題で、内閣の要である官房長官が還流(キックバック)を受けていた疑いが発覚したことについて、政治がここまで堕落していたのかと愕然とし、あえて35年も前の政治家である後藤田氏を引き合いに出して、官房長官のあるべき姿を実在した政治家を通して知ってほしいと願っているとさ。ではまた

  

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2023年12月07日

こじつけ先生の世相ナンチャッテ高座

こじつけ先生の世相ナンチャッテ高座その2
忠臣蔵を検証する
松の廊下刃傷は乱心が原因

 歴史・時代小説を乱読しているこじつけ先生は、忠臣蔵の吉良邸討ち入りの原因となった松の廊下刃傷事件はなぜ発生したのかについて、以前から疑問に思っていたので、師走の定番である忠臣蔵について今回の高座で考えたいとの口上。高座の始まり始まり。

 忠臣蔵=赤穂浪士討入りといえば、日本人なら誰でも知っている歴史上の大事件だ。大石がヒーローで、吉良が悪という日本人好みの話だ。
 忠臣蔵は二つの事件から成り立っている。「浅野刃傷事件」と「赤穂浪士復讐事件」だ。疑問は二点。
① 松の廊下刃傷事件は何故起きたのか。
② 大石は何故仇討ちをしたのか。
 この疑問を解決するために推理の旅に出よう。

吉良悪人は芝居の創作
 松の廊下刃傷事件は何故起きたのか。吉良悪人説でもいくつかの通説に分かれている。
㋑ 賄賂説・・・吉良が浅野に賄賂を要求したが断られ、浅野に嫌がらせをし、激怒させたとする説。嫌がらせの具体例として、
・金屏風を飾るべきところを墨絵と指示
・魚鳥料理を精進料理と指示
・畳替えすべきところをしなくていいと指示
などがあるが、これらはいずれも芝居のフィクションであり、事実ではない。かつて映画の忠臣蔵では「畳説」が取り上げられていたと小生は記憶している。
㋺ 怨恨説・・・原因は不明だが、浅野が吉良に怨恨感情を抱いており、それが当日松の廊下で爆発したとする説。
㋩ 塩田説・・・浅野家が開発した塩田製造法を吉良に教えなかったため対立したとする説。当時の塩田製造は自然条件に左右され、技術の差はなく、これが原因とは言えない。
これらの説はいずれも吉良悪人説が基にあるが、事実はどうであろうか。

ストレスから発作・乱心へ
 三河地方では、吉良は名君といわれ、悪人ではない。事実、堤防を築き、用水を開いて干拓し、領民に慕われていた。
 一方、浅野は短気と気まぐれの性格であり、年貢の取り立ては厳しく、領民は苦しんでいた。浅野家断絶と聞いて、領民は餅をついて喜んだといわれている。
 ㋑~㋩は根拠もなく、いかにも浅野長矩を悲劇のヒーローとするためのでっち上げである。
 そこで浮かび上がってきたのが「精神障害説」である。浅野長矩は短気で気まぐれの性格の上「つかえ」という精神分裂病が持病であった。勅使の接待役という重職や厳粛な儀礼のため、ストレスが重なって発作が起き、乱心して切りつけたというのが真相ではないかと作家の井沢元彦氏は著作「忠臣蔵 元禄十五年の反逆」(新潮社刊、平成元年頃初版)で結論付けていた。
 浅野家やその一族郎党の不幸は、この主君の乱心にある。吉良の責任ではない。いや、責任があるといえば、将軍綱吉の裁決(老中は乱心が原因だから処分の猶予を考えていたが、綱吉は乱心を認めず、即刻切腹を命じ、お家断絶とした)にあるといえよう。こうしてクライマックスの悲劇へと歴史は動いた。

主君は一代、お家は末代
 では何故大石蔵之助は吉良討入りを行ったのか。その真意は仇討ちなのか。
 大石は、浅野家にあっては家柄家老であり、実務を行う仕置家老と違って、普段は何もしないが、お家危急存亡のときに頼りになる存在だ。「主君は一代、お家は末代」というように大石にとって忠誠の対象は殿様個人ではなく、お家そのものだ。それ故、例えば殿様の金遣いが荒く、このままでは藩がつぶれてしまうとか、公儀へ謀反を企んでいてこのまま放っておけば取り潰しの運命しかないなどのとき、家柄家老は立ち上がって主君を押し込め、無理矢理隠居させて若殿を立てることもあるという。

幕府への抗議
 とまれ、話がそれてしまったが、大石はどう考え行動したのか。主君の刃傷は乱心が原因によるものであり、切腹はやむを得ないとしてもお家断絶は前例(似たような例が以前にもあり、そのときはお家断絶になっていない)からいっても間違った裁決だ。長矩の弟長広の処分(閉門)はおかしいとして、幕府に対し、お家再興の嘆願を繰り返し行った。
 しかし、幕府の考えは変わらず、長広は本家預かりとなり、大石の望みは絶たれた。ここにいたって仇討ちを主張する急進派を抑えきれず、討入りを決断した。その狙いは吉良を討つことによって綱吉に抗議をすることにあった。つまり、幕府が乱心を正気の行為とするなら、あれは刃傷ではなく、喧嘩だと考えようじゃないか。正気ならあんなところで斬りかかるはずがない。喧嘩なら喧嘩両成敗に従って、吉良も成敗されなければ片手落ちであり、幕府がそれをしないので代わって吉良を討つのは当然と考えて討入りを行ったのではないかと井沢氏は推理し、著作の中で「『それにしても可哀想なのは吉良ね』加奈がしみじみと言った。『本当だね。綱吉の身代わりにされたようなものだ。彼自身何の罪もないのに』」と文中の登場人物に語らせている。

家柄家老のような行動
 何分、元禄15年12月14日(西暦1703年1月30日)は320年前の話だ。真実は分からない。
 面白いと思ったのは、浅野と大石の関係だ。大石は浅野個人よりお家を優先した。これを現代の官公庁に当てはめると、公務労働者は住民に奉仕する立場にある。特定の個人や団体に奉仕したり、応援したりしてはいけない。職務遂行において住民誰にでも公平・公正でなくてはならない。トップや上級者が間違った指示や命令をするときは″家柄家老″のように行動できるだろうか。無理なことは無理と、できないことはできないと言えるだろうか。今の政権の暴走(国民の声を聴くことが大切といったのに)に誰が歯止めをかけるのか。歴史から何を学ぶのか。政治家一人一人に問いたいとこじつけ先生は思ったとさ。ではまた
*参考資料 井沢元彦「忠臣蔵 元禄十五年の反逆」(新潮社刊)
  

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2023年12月03日

こじつけ先生の世相ナンチャッテ高座

こじつけ先生の世相ナンチャッテ高座その1
徳川幕府と現代

 本日の高座から世相をテーマに、軽ちゃあ通信らしく軽妙に軽くジャブを打つように世相を斬ってみたいとの思いで新たに始めます。最初は「徳川幕府と現代」の高座です。

中央の堕落
  徳川幕府は鎖国を基本政策とした国是の基で、約250年にわたり安定した国家を運営した。それまでの戦国の世を統一し、朝廷と幕府の「大政関東御委任」という約束事の基で幕府を開闢(かいびゃく)した。日本の歴史上、戦乱のない平和な時代であったが、中央集権体制(幕藩体制)が崩壊した原因として諸外国の外圧(黒船来航、開港、和親条約等の締結など)や藩という地方政府への抑えが利かなくなったことが挙げられる。
  現代日本の仕組みもちょっと暴論であるが、徳川時代と類似しているのではないか。体制運営として、徳川時代と異なる点は、参勤交代がないくらいのものでしょうか。えっ、何ですか。今でも首長がちょくちょく東京へ陳情に行くので、それも参勤交代のようなものとおっしゃるんですか。まあ、それは横に置いといて、これから高座のメインディッシュに入ります。
  徳川幕府の中央集権体制が堕落したのは、簡単に言えば、老中などの旗本が私腹を肥やしたこと、政治そのものが賄賂で運営されていたことにある。現代の政治体制は民主的に運営されているが、今秋、内閣の政務三役が不倫、公職選挙法違反、繰り返しの滞納により辞任したように国民を裏切るような行為がある。また、最近の報道によると、政治資金パーティ券収入の不記載及び議員への還流が問題視されている。これは氷山の一角だ。政治とカネの問題は厳しく検証してほしい。
 将来に対する展望が不透明な状況にある。国民に将来の日本の国家像を示せないのは、政治家の使命感の欠如や「公」というものの考え方の貧困化、また 国民を豊かな社会へ導く政策や少子高齢化という課題に対する貧弱な政策、つまり中央官僚のアイデア枯れ、消耗状態があるように思われる。また、財政面においても、国の借金(国債・借入金など)は2023年6月末現在で1276兆3155億円であり、国民一人当たりの借金は約1025万円となっている。さらに現政権は財政再建どころか支持率回復のために国債を原資に「減税」という大判振る舞いをしようとしている。国民の一人として、還元してもらえるのは嬉しいが、こんなことでいいのかな、いつまでこんなことを続けるんだろうかと不安に感じる。個人的には全国民に共通する消費税の減税の方が、効果が高いと思うけどな。ワシを参与にしてくれれば助言するんだけどな。余談です。

分権のススメ・・・自ら考え行動する
  ここで重要なことは、中央政府と地方政府の役割、権限を分権化することである。この地方分権については、28年前の1995年5月の国会で地方分権推進法が成立し、その後、現在に至るまで権限移譲などが行われているものの、相変わらず国頼みの「居眠り自治体」の姿があるし、補助金の名の下で自治体を管理する国の姿勢がある。法令の上では、国と自治体は対等なんだけど、実態は所得税などの税収を賦課徴収する権限のある国が地方の面倒を見てやることになり、国に面倒を見てもらうのが当たり前だとする地方の姿がある。それぞれの役割や責任を明確にして互いに補完するという補完性の原則が欠落している。情けないけど、これが実態だ。ではどうする?
  自ら政策を考え実施する自治体へと転換することができるかどうかがポイントだ。そして自治体同士で連合・連携して、幕府に対する薩長土肥のように結束して国から権限とお金(税収の賦課徴収権)を分割するという分権をススメることに尽きるだろう。

役所内の分権
  役所内の分権について、最近首長のパワハラなど破廉恥な案件が続いている。公選法違反とかセクハラとか、首長だから何をしても、何を言ってもいい訳でない。こうしたことが起きるのは、首長は「大統領」に比較されるほどに権限が強く集中しているからであり、権限の集中は独裁者を生み出す要因となる。首長をチェックする議会は、首長の与党を自称する議員が多数を占め、与党会派が首長の政策に反対できないよう議員を締め付けているらしい(見返りはポストや現ナマかな)。また、政策や施策を進めるうえで、何事も首長の決裁を経てからでは手間暇がかかりすぎるので、機敏に対応できるよう、権限を分散化した方がより機能的に組織が働くのではないか。首長の権限の一部を部長に、部長の権限を課長に、課長のそれを部下に・・・ちょっとキリがありませんが、まあ組織が機能的に動く程度に分権化を進めることが求められていると思う。
  幹部(場合によっては患部ともいう)職員は「オレの存在意義がなくなる」と言うが、じゃあ、アンタがいないと市の機能がマヒするのか。市民の立場に立って職務に励むことが重要で、アンタのためにポストがあるのではないと声を大にして言いたい。

第三の分権
  家庭内においても男女の分権が必要ではないか。真の意味で男女参画型社会を確立するために、女性の社会進出を進め、重要な地位を占めてほしい。家庭内でも、家庭それぞれで家事の役割分担など話し合ってはどうか。円滑かつ円満な老後のために。
  ちなみに、こじつけ先生の家では、食事の後片付けが先生の仕事とか。ではまたいずれ
  

Posted by mc1397 at 10:07Comments(0)TrackBack(0)