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2023年12月17日

こじつけ先生の世相ナンチャッテ高座

こじつけ先生の世相ナンチャッテ高座その5
気候変動を考えるパート1
地球規模での気候変動が続出
 地球温暖化対策は待ったなし

 11月、気候変動に関する国際的な二つの記事が新聞(中日)に掲載された。
 一つは、国連の気候変動枠組み条約事務局が14日に発表したもので、その要旨は次のとおり。
・各国が掲げる最新の温室効果ガスの排出削減目標が達成できた場合、世界全体の排出量が2020年代に減少に転じる可能性が高いこと。
・一方で今世紀末の気温上昇を1.5度に抑えるパリ協定の目標に必要な削減量には遠く及ばないこと。
・今月末から始まる国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)は世界の対策の進捗評価が主要議題となること。

 もう一つは、世界気象機関(WMO)が15日に発表したもので、その要旨は次のとおり。
・地球温暖化を招く温室効果ガスの二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素の大気中の世界平均濃度が、2022年は観測史上最高を記録したこと。
・温室効果ガス濃度の高止まりが続けば、今世紀末の気温上昇を産業革命前と比べ1.5度や2度に抑えるパリ協定の目標値を、大幅に上回ることになること。
・緊急の課題として、(石油などの)化石燃料の消費を削減していかなくてはならないこと。
・二酸化炭素濃度は産業革命前の水準から比較し、初めて50%以上増となったこと。
・現在よりも気温が2~3度高く海水面が10~20m高かった、300万~500万年前の状況に匹敵すること。

 このところ気候変動や地球温暖化に関し、コロナ禍以降、あまり関心がないように見受けられたけど、地球温暖化は間違いなく進んでいる。夏の暑さ、大雨、豪雨、干ばつ、四季の変化など地球温暖化が原因と見られる気候の変動は、私たちの身の回りで、日本中で、世界中で起こっている。このままでは気候変動は気候の危機へと変貌し、取り返しのつかない事態へと急速に進行する。そこで本高座でも気候の変動について考えたい。

パリ協定の数値目標
 2015年に合意されたパリ協定では、世界全体の目標として、産業革命前からの気温上昇を1.5度未満に抑えることが決定され、2018年に公表された国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の特別報告書では、この目標を達成するためには、2050年までに二酸化炭素の実質排出量をゼロにすることが必要とされた。

日本の動向
 地球温暖化対策や脱炭素化の日本の動きは、2020年10月、当時の菅首相が2050年までに温室効果ガスの排出をゼロにするカーボンニュートラル(脱炭素社会の実現)を目指すと所信表明で述べたところから、国、自治体、事業者、市民生活などにおいて、脱炭素社会の実現に向けて取組が推進された。
 2021年4月、当時の菅首相は、2030年度の温室効果ガスの削減目標について、2013年度比で46%削減することを目指す。さらに50%の高みに向けて挑戦を続けていくとの方針を表明した。2019年度時点で14%減だったので、10年で32%分を積み増すことになり、削減ペースを急加速させることになった。
 岸田首相は2021年10月、新たなエネルギー計画を閣議決定した。その内容は、2030年度の電源構成の目標を明確にしたもので、再生可能エネルギーは2019年実績の18%を36~38%へ、原子力は6%の実績を20~22%へ、火力は76%から41%へと変更するもであったが、原発の再稼働や石炭火力への依存が問題視された。

COP28 パリ協定「1.5度目標」に向け「化石燃料脱却」で合意
 アラブ首長国連邦(UAE)ドバイで開催されていた国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)が12月13日、パリ協定に沿って気温上昇を1.5度に抑えるため「化石燃料からの脱却」などを進めるとした成果文書を採択し閉幕した。
合意のポイント
・2050年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにするため、エネルギーシステムの化石燃料からの脱却を2020年代に加速する。
・現状ではパリ協定の「1.5度目標」は実現できず、2030年に温室効果ガス排出を2019年比43%減、2035年に60%減にすることが必要
・排出削減対策が取られていない石炭火力発電所の段階的削減に向けた努力を加速する。
・世界の再生可能エネルギー容量を2030年までに3倍にする。
・各国の地球温暖化対策の進捗評価文章を踏まえ、新たに2025年度までに排出削減目標を作成する。

課題も多い 
・新たな排出削減目標は1.5度目標達成可能な水準まで引き上げられるのか。
・先進国と途上国の相互不信が解消できるか。
・排出削減対策が取られていない石炭火力発電所の段階的削減措置について、いつまでにどの程度行うのかの道筋が見えていない。

評価できる点
・世界の再生可能エネルギーの容量を2030年までに3倍にするという有志国誓約(116カ国。日本含む)がまとまったこと。
・従来の石炭のみを化石燃料としていたことから、その対象を石油や天然ガスを含む化石燃料全体としたこと。
・開催国である石油産出国のUAEにおいて、石油や天然ガスを化石燃料としたことは産油国と非産油国との溝を埋めることになる。

迫力を欠く日本の脱炭素
岸田首相の演説のポイント
・排出削減対策の講じられていない新規の国内石炭火力発電所の建設の終了
・再生可能エネルギーの主力電源化や原発活用の推進。世界で2030年に再生可能エネルギー容量を3倍とする目標に賛同
・世界は1.5度目標の道筋に乗っていない。2030年までの行動が決定的に重要

問題点 影が薄い日本の存在
・石炭火力発電所の新規建設終了の年限を示していない。既存の石炭火力発電所の廃止に言及していない。
・2030年までの行動が決定的に重要と言いつつも、その具体策が提案できていない。
・毎回、日本政府は手土産として拠出金を持参する。今回も気候変動被害を救済する基金に1千万ドル(約14億7千万円)を拠出するようだが、相変わらず金さえ出せばいいとの姿勢が見え見えで政策力が乏しい。
・岸田首相演説に今回も対策が後ろ向きな国に贈られる「化石賞」が贈られた。贈呈する国際的な環境NGO(非政府組織)「気候行動ネットワーク(CAN)」は、岸田首相の姿勢を「環境に優しいと見せかけるグリーンウォッシングだ」と批判している。

 こじつけ先生は、地球温暖化がこのまま進むと孫や将来世代の存亡に関わると心配している。日頃から、ごみの分別や環境美化に心がけているが、何とももどかしい思いがある。若者の奮起を促したいと考えているが、それは次の高座でお待ち願おう。ではまた


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