雑談の広場その15
栄村動物物語
自然論争
ここは栄村の高級住宅地「田園チョウフ」に家を建てたハクチョウのチョーさんのお話です。
サラリバードの夢であるマイホームを苦節40年、ワイロをもらわず、ただひたすらに働いて建てました。そのチョーさんにも悩みがある。カエルの鳴き声がうるさいのだ。
とうとう思い余ってケロさんに直談判。
チョーさん「カエルのケロさん、いくら発情期とはいえもう少し小さな声でアヘアへできないものですか。子どもへの影響も心配です」
ケロ「なんとおっしゃるハクチョウのチョーさん、太古の昔から我々カエル族は6月をジューンブライドのアヘアへ月として過ごしています。ハクチョウさんも一緒にどうですか」
チョーさん「冗談じゃないですよ。苦節40年、羽に火をともすようにして貯めた金で家を建て、これから鳥生を楽しもうとしているのに、アヘアへで体力を消耗するなんて、盆暮れで十分ですよ」
交渉失敗
次にチョーさんの悩みは舗装。土の生活に憧れて栄村にやってきたのに、道路はすべて舗装されている。本来歩くのに慣れていないチョーさんは足が痛くて仕方がない。飛べばいいのにという声があるが、飛ぼうとすると電線がじゃまで思うに任せない。そこで村役場へ陳情に行った。
道路課ではカバ課長が応対。チョーさんの舗装を取ってほしいという陳情に対し、カバ課長は「土のままですと、ホコリがたって洗濯物が汚れるという声やダサいという若者の声もあって舗装にしたんだけどなあ。みんな喜んでいますよ」
チョーさん「この村の良さは自然ですよ。ボカァ、この自然に惹かれてこの村にやってきたんだ。もっと自然を大切にしなくっちゃ」
カバ課長「自然、自然とおっしゃるけど、あなたの土地は以前トンボ池だったのを埋め立てたものですよ。その地上げのせいでトンボ族は堕落してしまったんですよ」
チョーさんは自然と共生することの難しさをつくづく感じながら、芝生を維持するために除草剤をせっせと撒いている。