こじつけ先生の処世術高座その21
現代鳥獣戯画その2
高座その4で紹介した現代鳥獣戯画。今回は、その2として愛すべき現代をたくましく生きるサラリーマンを描いてみるとの口上。高座の始まり始まり。
不帰鳥
一度出たら定時まで帰らない人っていますよね。もちろん仕事で外出とは思うんですが・・・携帯に電話しても出ないので、なぜ出ないの?と聞くと、「圏外にいたから」といけしゃあしゃあとのたまう。まあ机の前でゴロゴロされるよりはまだましかもね。
ネギカモ
ホント人の好さだけが取り柄の人。要領の悪さは傍から見ていてイライラするが、当人はいたってマイペース。時には昇任ラインから外れてヤガモになったりするが、それはそれとして運命に逆らわずに生きている。
デタガリキツネ
人生、主役のときもあれば、脇役もあるのに、何にでも出しゃばる人っているよね。しかも、ひっかき回したらそれなりに責任を取るべきなのに、オイシイところだけさらっていって後は知らん顔。こんな奴には一発ガツーンとやりましょう。
ノラクロ
ノラリクラリと正体不明、意味不明の人。政治屋や役人に多いよね。言質を取られまいとするため多弁の割には何を言っているのか分からない。こういう人は、スピード化が求められる現代では生き残れない。生き方を変えたほうがいい。
シガラミタヌキ
信楽焼のタヌキなら愛嬌があってカワイイが、シガラミタヌキは複雑怪奇な政治や官僚の世界を義理と人情で生き抜いている。
ヤドカリ
小規模自治体の伝統的体質みたいなもの。イベントばやりの今日、市民団体や企業頼みのためヤドカリ行事と言われたりする。しかし、これが人口減少の時代にあってはマッチしているのでしょう。
イロ鯉
川の鯉は太りに太っている。コレストロールも相当高いのではないでしょうか。本欄のイロ鯉は不倫鯉のこと。分からないようにすればいいのに、あちこちで目撃されるドジをしている。
コンドル
ペルー山脈に住むコンドルは、生存数も少ないそうだ。それに引き換え頭がちょっと寂しいコンドルさんは増える一方。育毛剤や増毛などの対策はにぎやかだが、そんなことには目もくれず、自然に逆らわないコンドルさんは尊敬に値する。
番外編 足のあるユーレイ
役所や企業などに四季を問わず、真昼間に出没するらしい。事の真偽を確かめるためにある役所の職員に確認をした。以下、その生々しい事実をリポートする。
証言その1 ユーレイねぇ。まあ足のあるユーレイってとこかな。だって後ろを振り向くと、いつの間にかいなくなっちゃうからね。
証言その2 ボク知ってますよ、経験者だから。いてほしいときにいなくて、どうでもいいときにいるもんなぁ。ほらトラブルがあるときなんか、最終的に判断を仰ごうと思って後ろを見ると、さっきまでにいたはずなのにもういない。丑三つ時のユーレイじゃあるまいし、チャントしてほしいよね。
証言その3
見ました、見ましたよ。先日も担当者が来庁者ともめそうになったとき、チラチラと状況を見つつトイレに行く振りをして消えたところを。あれはもう名人芸ですね。長年磨いた芸と言うべきでしょう。
結論 ユーレイの正体見たり枯れ尾花というところでしょう。足のあるユーレイは職務権限のあるおっちゃんということが判明した。
以上、昭和や平成の時代のお話ですが、いずれの鳥獣たちも足のあるユーレイも絶滅危惧種のようです。生き延びることが難しかった「失われた30年」の管理社会。多様性ある社会を目指すためには、絶滅危惧種のような個性的な人材の奮闘を期待したい。ではまたお会いしましょう。バイバイキ~ン